
2025年4月より環境・社会基盤工学科に着任いたしました、藤吉奏と申します。
生まれも育ちも北海道で、大学院からは指導教員や教授の異動に伴い、京都、広島と移り住み、このたび富山にまいりました。自然豊かな富山の地で研究できることを大変嬉しく思っております。
専門は微生物生態学で、浄水環境や大気環境における微生物の生態や役割を解明することを目指しています。特に、気象と微生物の相互作用に着目し、環境変動が微生物群集に与える影響や、逆に微生物が気象に与える影響の可能性について研究を進めています。これまでに、南米チリ、インドネシア、スリランカ、スロベニア、スイス、フランスなど世界各地でフィールド調査を行ってきました。自然環境の微生物研究という分野の特性上、多様な地域での現地調査が不可欠であり、各国の研究者との協力関係を築きながら、それぞれの土地の環境や文化への理解を深めることができました。こうした国際的な研究体験は、科学的知見の獲得とともに、研究者としての視野を大きく広げてくれています。また、海外での研究経験を通じて、日本の恵まれた環境や文化の価値を改めて認識することができ、そうした気づきも含めて日本の環境研究に貢献したいという思いを強くしています。
富山では、立山連峰の雪解け水から富山湾に至るまでの多様な水環境と、独特な気象条件を対象に、地域に根ざした研究を展開したいと考えております。特に、富山の水資源が育む微生物群集の季節変動や、都市環境との関係性などを明らかにすることで、持続可能な環境管理に貢献したいと思っています。
富山の美味しいお酒、魚、お米にも非常に魅力を感じており、地域の皆様と交流しながら、国際的な視点も取り入れた研究を進めてまいります。ご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。
 南米チリーアルゼンチンとの国境
 スロベニア伝統建築の家々


    