新任教員紹介:久加朋子准教授

久加先生

2021年4月に環境・社会基盤工学科に着任した久加朋子と申します。
近年,全国各地で豪雨に伴う土砂災害が頻発しています。私は,こうした降雨時における土砂の移動を伴う河床・流路形態の変化や土砂災害特性を解明すると共に,治水と流域環境とのバランスをとる方法について研究を行っています。

久加先生図1
図1. 河道内植生の有無が出水時の流路変動に与える影響に関する水路実験
(a) 植生あり,(b) 植生なし

たとえば,出水頻度の低下に伴う河道内樹木ヤナギ等の過度な侵入は,全国各地で河川管理上の重要な課題となっています。図1は,植生の過度な侵入が進んだ河川中上流域を想定し,植生の侵入度合の違いが出水時に流路形態をどのように変化させるかを把握するために実施した室内水路実験結果です。図1から分かるように,植生の侵入が進むと,本来は網状流路の様相を呈する急流河川においても,流路本数が減少して流れが集中し,河川が蛇行し始めることが分かります。このような植生の侵入に伴う蛇行化した急流河川では,大出水時に急激な流路の蛇行化が生じやすく,護岸や堤防侵食の危険性があります。

久加先生図2

図2. 固定床上に設置された越流水制周りの土砂輸送特性に関する数値計算
(a) 直角水制, (b) 上向き水制

図2は,岩盤化などの進んだ固定床河川において,土砂を堆積させて環境配慮を行うための河川構造物として,角度の異なる水制工の効果を確認するために実施した数値解析結果です。水路実験と数値解析結果より,固定床河川にて土砂を堆積させるには,越流タイプの上向き水制工が最も効果が高い可能性が推察されました。

富山・北陸地方の流域の風土・治水も含めた歴史等について,学生のみなさんと一緒にこれから学んでいきたいと思います。富山・北陸地方で活躍される皆さま方,ぜひ一緒に地域の課題にも着目した研究活動を進めていきたく思いますので,至らぬところもあるかと存じますが,ご指導ご鞭撻を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。